本書は、Writers on America(アメリカ国務省、2003年)というアメリカで現在活躍中の作家や詩人が寄せたエッセイ集をテキストにした教科書です。母国の意義を問うテーマゆえに、作家たちが自分の出身や背景に考察をめぐらせるものが多く、その多面性と共通性がまさしく現代アメリカを切りとった姿として読むことができます。作家にはピュリツァー賞受賞者やマイノリティエスニックグループ出身者を含み、アメリカ文化論としても興味深い内容となっています。とくにマイノリティとしてアメリカで育つ若者の心理が描かれていて、異文化と主流文化との衝突、対立、融合がそれぞれの内的体験談として語られているところが、これまでの外側から客観的に説明されることの多かった異文化論とは大きく異なる特徴です。"An American Milk Bottle"―A memoir of an African American family"This Crutch That I Love"―Possibilities explored by her parents"For Life's Sake"―The spirituality of Native Americans"Both Sides of the Border"―Experiencing the different cultures"I, Too, Sing Am´erica―Struggle for freedom by a Dominican immigrant"A Provincial Sense of Time"―An American view of dates and history"Maps and Legends"―A dream to bu
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