毎夜あらわれては、少納言の右手ばかりを噛む女の正体とは。稀代の陰陽師・安倍晴明と、笛の名手・源博雅の名コンビが都の怪異を解き明かす大人気シリーズ。「そういうおまえが愛しうて、こういう眼になってしまうのだ。博雅よ」(「さしむかいの女」)シリーズ開始から30年を迎えた、稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が活躍する600万部超の人気シリーズ第16巻。【目次】「傀儡子神(くぐつがみ)」桜を愛で酒を呑む晴明と博雅。そこへ道満が木偶を持ってやって来る。「竹取りの翁(おきな)」老母が山にでかけたまま消えて五年。妻が目が痛いと訴え……。「さしむかいの女」兄弟子に頼まれた晴明は三日間目を覚まさない男のもとへ向かう。「狗(いぬ)」女の童をつけ狙う白い狗。道満は童と狗を離すように忠告したのだが……。「土狼」姿を見せずに人の足を喰うものの正体を、晴明が突き止めると……。「墓穴(つかあな)」雨宿りするために入った墓穴で、男は鬼と出会った。「にぎにぎ少納言」毎夜あらわれては少納言の右手ばかり噛む女の正体とは。「相人(そうじん)」僧の登照は、夜道をゆく博雅の笛の音を聴いて死相を感じた。「塔」比叡山の僧・玄珍は、奇妙な夢を見た。「露子姫」薄紫色の衣を来た女性が、露子姫の夢に出て歌を詠むのだが……。「月を飲む仏」巨大な薬師如来を目撃した晩、博雅の夢に美しい女が現れる。「蝉丸」逢坂山で独り暮らす?丸は自然の中で琵琶を弾く。著者略歴:1951年神奈川県生まれ。77年「奇想天外」に「カエルの死」を発表し作家デビュー。『餓狼伝』『魔獣狩り』『キマイラ』『陰陽師』シリーズで人気を博す。89年『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、98年『神々の山嶺
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