1章 カラーフィルムで記録された近畿日本鉄道の一般車両2章 モノクロフィルムで記録された近畿日本鉄道の一般車両(大阪線、名古屋線系統;奈良線、京都線系統;南大阪線系統;近鉄の譲渡路線;近鉄の懐かしい駅舎風景)関西・中京圏に巨大路線網を築いた個性豊かな近鉄車両の写真集の2部作がついに刊行! 本書では個性豊かな一般車両を取り上げます。総延長約500?におよぶ路線を有する近畿日本鉄道。長距離区間を運転する特急列車を補う急行が、特別乗車料金を必要としない速達便として運転されている。また、主要都市間には普通列車等がきめ細かく設定され、沿線住民にとってかけがえのない生活の足となっている。これらの列車には、2200系や2250系、6301系等、歴代の特急用車両を格下げして用いた時期があった。しかし、特急用として10000系をはじめとした新系列車両が現れた頃に前後して、普通列車の運転に適した近代車両が開発された。これらの車両は短い距離で停車駅が多い運用に対応すべく、急加減速に秀でた性能を備えていた。同時に従来車の標準色だった濃い緑色を刷新した、オレンジバーミリオンやアイボリー地の車体塗装は、通勤型電車の雰囲気を一気に明るくした。また、昭和30年代までは創業期に投入された木造電車が、橿原線や南大阪線等の狭軌区間で活躍していた。黎明期と最新型の電車が共存する様子には、模型の盆景を眺めるような高揚感があった。現在では貫通扉に前照灯二基を備えた4扉車という仕様が、一般型車両の標準的ないで立ちだ。それでも数十年間の長きに亘って使用される車両が少なくない近鉄電車故、世代を跨いだ形の異なる車両が行き交う風景は健在だ。2007(平成19)年には大阪線、奈良線で阪神との相互直通運転が始まり、上本町ー布施間の複々線区間等では異なる会社の電車
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