1966年、12歳のチャーニーは、カナダ政府が先住民族の同化政策として制度化した寄宿学校から逃げ出す途中、線路上で凍死した。死因審問の結果、悲劇を繰り返さぬよう四つの勧告が出されたが、なんら改善策はとられなかった。それから四半世紀以上経った2000年から2011年の間、オンタリオ州のサンダーベイ市で7人の先住民の高校生が死亡した。うち5人は、先住民の聖地の麓を流れるカイ川で遺体となって発見されている。高校卒業の資格を得るために、彼らは故郷から何百マイルも離れた都会で暮らしていた。将来への希望を見つける機会となるばずが、彼らが経験したのは、日常に溢れる先住民への差別と人々の無関心、そして堪え難い孤独であった。7人の若い羽根たちが辿った生と死の軌跡を丹念にたどり、彼らの家族や先住民族の物語をとおして、カナダ建国の植民地時代から今日まで続く人種差別や文化的ジェノサイドの実態を鮮明に描き出す。第1章 盲目の男からのメモ第2章 チャーニーが逃走したわけ第3章 狼の知らせ第4章 過去からつづく痛み第5章 何もわからないことの空虚感第6章 生きる者を守るため死者の声を代弁する第7章 兄弟第8章 川よ、息子を返してくれ第9章 価値のない犠牲者第10章 命を落とした七つの羽根人種差別が生んだ悲劇とその街の歴史とは1966年、12歳のチェイニィ・ウェンジャックは、先住民族の同化政策の一環としてカナダ政府が運営する寄宿舎学校から逃げ出す途中、線路上で凍死した。それから四半世紀以上経った2000年から2011年の間、オンタリオ州のサンダーベイで7人の先住民の高校生が死亡した。日常に溢れる先住民への差別と人々の無関心、そして堪え難い孤独――。7人の若い羽根たちが辿った生と死の軌跡を丹念にたどり、彼らの家族や先住民族
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