712年(奈良時代)に成立した歴史書。三巻からなる。天武朝に企画され、天武天皇の命で稗田阿礼が誦習(文字化された資料の読み方を習い覚えること)した帝紀(天皇の系譜・皇位継承の次第を柱とする天皇記)と旧辞(古伝承)を、元明天皇の命を受けた太安萬侶が撰録したもの。中巻(三輪山の大物主神;沙本毘売;本牟智和気御子;小碓命;出雲建;倭建命;草薙剣;弟橘日売;倭建命の帰還;息長帯日売;大雀命)下巻(皇后石之日売;皇位継承;歴史への道;歴代天皇系図;地図;古事記あれこれ 阿刀田高;参考文献)マンガで読む。巨匠で読む「古事記」 現代では「古事記」を「こじき」と読むのが一般的ですが、本書では「やまとことば」の「ふることふみ」と読んでいただきたいと思いました。日本には民族の言語として「やまとことば」がありました。漢字の輸入により「やまとことば」に漢字の音をあてる「あて字表記」も使われましたし「音よみ」も使われるようになりました。 しかし……古代より伝えられた「神話」は「やまとことば」で語られたはずです。古事記に登場する固有名詞がみな「やまとことば」で読まれるのにタイトルだけが外来語発音というのはどうにも納得がいかなかった……からです。江戸時代の学者 本居宣長は35年の月日をかけて「古事記」の注釈書である「古事記伝」全44巻をまとめました。本居宣長は「ふることふみのつたえ」と発音していたといわれています。古事記に描かれている事柄や人物などについては古来よりさまざまな解釈がなされています。「これは事実ではない」「この人物は実在しない」など色々な見方や考え方があります。また数多くの解釈、解説書もあります。私は、今回この作品を描くにあたって「物語としての古事記」のつもりで描きました。
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