「受け入れ難いリスクが存在しないこと」という従来の安全の考え方では、十分な効果が得られない状況が多々生じ、新しい安全へのアプローチが求められている。レジリエンスエンジニアリングはその答えであり、「安全は変化する条件下で成功する能力」との考えのもと、事象に対処する能力、進展しつつある事象を監視する能力、未来の脅威と好機を予見する能力、過去の失敗・成功双方から学習する能力―が重視される。それらをどのように実装すればよいか、その具体例を示した実務家への手引書。第1部 現実に対処する(レジリエンスと対処能力;ハドソン川からの教訓;不確実さを処理する―麻酔におけるレジリエントな決定;エスカレートする状況における組織的レジリエンスの訓練)第2部 危機を監視する(監視―レジリエンスエンジニアリングでの重要な能力;飛行時間の制限から疲労リスクマネジメントシステムへ―レジリエンスへの取組み;重大なことに気づき、対処するための訓練―発電所保守からの事例研究;緊急事態と異常事態の訓練における認知方略―航空管制のレジリエンスについて)第3部 脅威を予見する(レジリエンスと予見能力;適応システムが失敗する基本パターン;鉄道土木工事の計画立案におけるレジリエンスの測定;バランスの技術―競合する目標に取り組むために上向きのレジリエンスの特徴を利用する;金融サービスシステムにおける機能的相互依存性の重要性)第4部 事実から学習する(学ぶべきか学ばざるべきか、それが問題だ;事実の解明なくして安全性の向上なし;社会・技術システムにおける近視眼的な協調からレジリエンスへ―病院における事例研究;レジリエントな組織でインシデント報告が成功する必要条件;航空産業はレジリエンス的な考え方を導入できる段階になっているか?航
Honya Club.com