生後わずか六日で女王となったメアリ・ステュアート。カリスマ性があり国民に支持されたが、英国史上最も悲劇的な運命の女王であった。鉄の意志をもち、全身全霊でことに当たり、壮絶な闘いを繰り広げ、遂に断頭台に散った。エリザベス女王の死によりテューダー朝は終焉するが、その後はステュアート朝が百十一年続いた。英国在住の著者による波瀾万丈の人物評伝。第1部(零歳の女王;フランスへ;フランス宮廷の華)第2部(祖国への帰還;激情の支配;腹心の秘書;逃避行;自堕落な王)第3部(黒い宿命;消えた決闘;王冠喪失;イングランドへ)第4部(陰湿な幽閉;小宮廷;魂の大聖堂を建てる;女王救出作戦;祈る人)強さが私を惹き付ける!メアリ・ステュアートは生後6日でスコットランドの女王となった。のちに仏王太子と結婚するため5歳で渡仏。アンリ2世が崩御すると王太子はフランシス2世となり、メアリはスコットランド女王でかつ仏王妃となる。18歳で統治者としてスコットランドに戻ったがカトリックのメアリはプロテスタントの国との分裂に苦悩する。美しく情熱的でカリスマ性のあるメアリは国民から慕われ敬意を持たれた女王であったが、次第に国民からそっぽを向かれるようになってしまう。英国史上最も悲劇的な女王といわれたメアリ。美貌とともに強い意志と信念を持ち、何事も全身全霊で事に当たったメアリ。心の花であったアザミもマリゴールドも「運命」の嵐にもぎ取られそうになりながらも、存在の全てをかけて、闘い最期は断頭台に露と消えた。本書は、英国在の著者によるメアリ・ステュアートの史的評伝である。
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