しようもなくて/花をうかべて/ながめて"(「泉"A"」)。童話作家として世に知られる新美南吉は、二十九年七ヶ月という短い生涯のなかで数多くの詩も遺した。「南吉の魂にはまだ生まれない詩、まだ言葉になっていない詩が、泉のように地下水のように湛えられていたのではないでしょうか」(巻末エッセイより)。自然や季節の移ろいを鋭敏に感受した南吉の、のびやかな明るさや清冽さ、透明感に溢れた厳選一二六篇を収録。1 風の光にほめくべし2 カタカナ幻想3 春の電車4 枇杷の花の祭5 気まぐれな思想家6 寓話新美南吉詩集/目次【1 風の光にほめくべし】一年詩集の序/四月のあさの/輪まわし/窓/<無題>『ぷりむらの』/蝶々<A>/仔牛/<無題>『つぶらな』/仔鹿/三年前のノートから/若竹/初夏/初夏抒情/月夜/月夜の話/月は/祭/秋陽/そこにかゞんで/秋抒情/秋風之賊/天女笛吹像/初冬/冬<B>/氷雨/泉<A>/仲間はづれの/夕暮/雲<A>/逝く春の賊/<無題>『けさ大きい』/貝殻【2 カタカナ幻想】落葉/雲<B>/ひらがな幻想/カタカナ幻想/創世記/冬<A>/色紙/合唱/曇日/<無題>『梢ガ』/疲レタ少年ノ旅【3 春の電車】春の電車/わが靴の破れたるごとく/去りゆく人に/父/母/去年の外套/冬<C>/淡雪/冬の最後の日暮に/宿をいでて/弟/春風/羽織を恋ふ/麦わら/早春の道/百姓家/幸福<A>/詩人/ペン胝/宿/終業のベルが鳴る・・・/淋しきときハ/みかん/林檎/梨/木/牝牛【4 枇杷の花の祭】光/神/明日/島<B>/道/月から/球根/枇杷の花の祭/デージイ/病気がなほった日/線香花火/鳶凧/赤狐/ごろぜみ/熊/牛/台臼のうた/葬式/影絵/幸福<B>/雀の歌/乳母車/母さんの歌/天国【5 気まぐれな思想家
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