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私たちは身体機能の多くを便利な機械に代行させ、じかに自然と触れ合う機会を少なくし、身体感覚を歪めてきた。賢治の作品には、豊かな身体感覚、躍動的な音色や匂いや味や触感があふれている。それらを追体験することにより、忘れていた不思議な身体感覚を取り戻すことができる。第1部 ビッグバンの訪れ―人類ノ感官はどう改変させられたのか(活字の洪水のなかで;煤色のユートピア)第2部 禁断のトマトの実―どのようにしてはじまりの意識へ到達したのか(裂け目の彼方から;語られなかった物語)第3部 巨きな水素のりんごのなか―外と内との交流はどのようにして可能か(融溶し震動し浮遊し;大地と天空の夢想;天気輪の柱と三角標)近代の印刷活字の氾濫が"人類ノ感官"をどう改変したのかを検証。また賢治を通して、人間固有のエロティシズムの問題を考察。さらに「身体」を通して、内部でありながら外部でもあるという存在の不思議さを眺望。   Honya Club.com