めまぐるしく変化する時代のなかで独自の食文化を形づくってきた「沖縄の料理」。人々は何を思い、何を信じ、「食」と向き合ってきたのだろうか―。沖縄に息づく文化と人の暮らし、その痕跡と今を見つめる記録。INTRODUCTION(沖縄島料理歴史と変遷;宮廷料理とおもてなし;庶民料理と医食同源思想 ほか)INTERVIEW(琉球料理美榮;本家新垣菓子店;首里そば ほか)FOOD TOURS(北部エリア;中部エリア;那覇・南部エリア)第6回沖縄書店大賞〈沖縄部門〉準大賞受賞作『沖縄島建築 建物と暮らしの記録と記憶』に続く待望の第2弾!料理の数だけ、つくってきた人たちの人生がある。「島」生まれのガチマヤー(食いしん坊)も目から満腹!の一冊です。─── ジョン カビラ(ラジオ・テレビパーソナリティー)1945年まで、沖縄には「辻」という遊郭がありました。戦前の辻に育った知人によると、脇に豚が飼われ、宮廷料理人に習った料理と昔ながらの家庭料理、そして舞踊で温かく客をもてなしていたそうです。辻には「おはよう」や「こんにちは」といった挨拶言葉はなく、だれに出会っても「ご飯食べたか」というのが挨拶言葉だったそうです。温かい人々の住む沖縄は、料理をすること、食べることが暮らしの真ん中にあるんですね。沖縄の自然の食材を丁寧に扱う市場の人の手に、その優しさは今も見られます。沖縄の自然と人と人との間には、いつもお料理があるんですね。沖縄に行きたくなるのは、そうした人の温かさにほかならないと思います。─── 土井善晴(料理研究家)--異国との交流、気候風土、古くから息づく風習や思想、社会情勢−−めまぐるしく変化する時代のなかで、独自の食文化を形づくってきた「沖縄の料理」。食をまかなう人々は何を思い、何を
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