CT、MRI、核医学などの非侵襲的画像診断は、1990年代から2000年代にかけて、多くの技術革新が行われ、動きがある心臓をはじめとする循環器領域にも応用されるようになってきた。循環器領域の画像診断は、動きの克服に加えて、形態、機能、虚血など多面的な評価が必要な領域である。技術の進歩の恩恵を最も受ける領域と言える。2000年代に始まったCTの多列化は、心臓CTの臨床応用を目指していたと言っても過言ではない。被ばく低減技術も心臓CTへの恩恵は大きく、近年では超高精細CTが登場し、冠動脈や末梢動脈病変の形態の診断能向上に貢献する可能性が高い。シミュレーション技術のFFRCTは虚血評価に大きく貢献することが期待できる。MRIは、1990年代以降、ダイナミックスタディによる灌流画像、反転回復法を利用した遅延造影を利用した虚血・梗塞評価が可能となった。また、2000年前後から定常状態グラディエントシーケンスが発達し、冠動脈の3次元表示が可能となった。MRIは様々な撮像法を組み合わせることにより多様な情報を得ることができ、近年では心筋T1値、T2値や 4D flowも追加できるようになっている。今後は,遅延造影、心筋T1値、T2値、血流計測などのMRIから得られる独自の情報をいかに臨床に生かしてゆくか、という方向にすすむと思われる。核医学は、最も古くから活用されている検査法である。近年では、半導体検出器が登場し,より高分解能の画像が得られると共に、少ない線量でも撮影可能になっている。核医学の魅力は、分子生物学等の発達により病態がより詳細に解き明かされ新たに画像化すべき分野が増えた場合でも、薬剤合成技術を活用することで対応していく潜在力を持っていることである。本特集は、虚血性心疾患、心筋症、弁膜疾患、肺循環、末梢血管といった循環器領域の診断において、CT
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