本書は、学問のそれぞれの分野で道を究めた代表的な碩学19人に人生観・学問観を伺ったものである。文学、哲学、歴史、物理学等と、分野は違うが、学問に取り組む情熱、生き方は、ビジネスの社会に生きる者にも多大な人生のヒントを与えてくれる。実験物理学・愚直に生きることが人生を拓かせる(茅誠司)フランス文学・今の時代、修身では通用しないことが多い(桑原武夫)哲学・受験の匂いのする勉強は大嫌いだった(田中美知太郎)中国語学・言葉はカビ臭い死に物ではなく、生き物である(藤堂明保)言語学・方言・象牙の塔にこもるより大衆に中に飛び込む(金田一春彦)俳句・蕪村句集と虚子が俳句の心を開かせた(山口青邨)ドイツ文学・人の人たるゆえんは、人と人との結びつきにある(高橋健二)応用化学・原子力という学問に生涯かかわったわけ(向坊隆)地震予知学・もっと頑張ってほしい日本の地震予知(力武常次)魚類生理生態学・魚類四億年の歴史に学ぶ生の不思議(末広恭雄)社会科学・真理を見つめるための迷い、苦しみから逃げるな(高島善哉)経済学・正しいと思うことは黒白が出るまで妥協するな(脇村義太郎)経済学・学問の発達は壁を破ってこそある(大河内一男)社会心理学・学問する人間をプロとアマに分ける(南博)歴史学・一つのイデオロギーで学問するのは危険だ(林健太郎)実証史学・生きている利休、秀吉像を追究する(桑田忠親)東洋史・歴史というのは人間の心情から発している(岩村忍)印度哲学・寺小屋式教育で、新しい学問を創造する(中村元)中国哲学・現代の陽明になって日本を海外に伝えたい(岡田武彦)
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