ライフワークのひとつとして永年書き継いできた「明星」論、そしてそこに集った女流歌人群像。それら初期からの論考が時を経て一冊となった。一〇〇年以上昔に情熱的に生きた彼女たちに、時に寄り添い、ある時は冷静に、そして丁寧にスポットライトをあてていく。女性が短歌を自己表現の武器として躍動し始めた時代の空気を、羨ましくおもう筆者の息づかいもどこかに感じられるだろうか。「明星」表紙絵がアルフォンス・ミュシャの模倣であったことを初めて指摘した一篇のほか、対談、講演録などを含む全13篇。1 「明星」初期と晶子(「明星」初期論序説;晶子と椿;晶子と古典;清々とした気迫―晶子の色彩感;「明星」そして「冬柏」)2 「明星」の女流歌人(近代短歌女性史より;「明星」初期の女流歌人;青春の白百合;自律の姿勢;晶子の鎌倉・かの子の鎌倉)3 座談・講演記録(素顔の与謝野晶子;晶子と『源氏物語』)
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