日露戦争後、西園寺公望内閣の内務大臣となった原は、山県有朋、桂太郎、大隈重信らとの対決を経て、ついに首相として初の政党内閣を成立させる。しかし、第一次世界大戦後の世界を見通し、新たな日本への道筋をつけつつあったさなか、東京駅で凶刃に斃れた―。理想を求めて格闘し、政治を知り尽くしたその生涯を描き、暗殺によって失われたその後の歴史の可能性を考察する。第4部 剛毅編(西園寺内閣を誕生させる―日露戦後に内相となる;政党政治家原敬の成長―内閣の実力者となる;米欧周遊とその後の円熟―米国への高い評価と日本の指針;実業への活動の広がりと充実―古河鉱業の近代化;選挙地盤の確立と郷里への思い―盛岡別邸と『南部史要』 ほか)第5部 老熟編(「最後の危機」と政党政治への道―第一次世界大戦と大隈内閣;「一山百文」の精神の充実―腰越別荘新築・戊辰殉難者五十年忌;政友会の勢力回復と寺内内閣―中国外交とシベリア出兵、米騒動;原内閣の誕生と新外交―大戦後の外交と植民地;内政大改革の実施―教育・鉄道・国防・選挙区 ほか)「平民宰相」原敬の初の本格的評伝。新聞記者・外交官・企業経営者など多彩な顔を持ち、一貫して「公利」という概念を重視して第一次世界大戦後の世界を見通した、ポスト「元勲世代」の偉大な政治家の生涯。下巻は、大隈重信、山県有朋、桂太郎らとの確執を経て、首相として初の政党内閣を成立させながら、東京駅で凶刃に倒れるまでの後半生を描き、この暗殺によって失われたその後の可能性と、原が日本の歴史に遺したものを考察。厖大な史料を歴史研究者としての確かな眼で読み込み、伊藤博文や山県有朋、昭和天皇など近代日本をつくってきた人々の評伝を著して高い評価を得てきた著者による、渾身の書き下ろし新作。「平民宰相」として知られる
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