古文真宝は俗書といわれ、そのテキストはもとより、所収の詩文の作者についても真を伝えないという通評があるが、かの国においては元から明の中期まで広く行われ、わが国においても、五山文学時代から江戸時代まではもちろん、今日でも教科書として使われている書物である。もと前後集に分かれ、前集は古体詩、後集は新古体の文(辞賦を含む)を掲載しているが、前集に近体詩を収めないため、後集のみが特に流行し、わが学者文人の常に引用するところとなっている。本巻には、そのもっとも流布している箋解本を収録。三体詩は七言絶句・五七言律詩の唐詩の三体を収録しているため、室町時代以来、古文真宝前集に代わってわが国に流行し、江戸前期に及んだ。六体を収めた唐詩選にその地位を奪われても、なお俳人その他の間に広く読まれた。唐詩選もまた明末の俗書であるという評も多いが、とにかく明末に流伝し、ことにわが国においては江戸時代の漢学の大家であった服部南郭が本書を校刊してから、五言・七言にわたる、古詩・律詩・絶句の各体の詩にわたって唐代の詩を選集しているため、漢詩の各体をすべて録した便利な書物として民間に流行し、江戸・明治・大正の三代にわたって、唐詩を口にするものの基礎知識を成した書物。テキストは戸崎允明の箋註本によった。十八史略は元の曾先之という人が、史記から五代史に至る正史および、当時正史がまだ作られていなかった南北両宋の史書から、古今十八代の史実の要を選録したもので、古来の伝説史伝の概略を知るのに便利であるというので、明の中ごろまでかの国では流行、これを輸入したわが国では、室町時代以来広く読まれ、とくに明治初年には大いに流行し、昭和の初期に及んだもの。テキストは通行本により、さらに年表70ページを付録とした。小学とは大学に対す
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