今回の改訂に関しては、新しい内容を盛り込むが全体のページ数は増やさないという条件を自らに課した。その理由は、本書は必要事項のすべてを網羅する使命を帯びている教科書や、最新の医療法や薬物を記載することが要求される治療診断マニュアルとは異なり、新生児医療に携わる際の基本的な考え方を学んでもらうことを目的としているところから、その全体が俯瞰できる範囲にとどめるべきと考えたからである。サイトカイン、急性胃粘膜病変(AGML)、Gilbert症候群、一酸化窒素(NO)、患者同調型人工換気装置(PTV)、脳低体温療法、ディベロプメンタルケアなど、いくつかの第2版にはみられなかった項目を加えた。それらの新しい項目の中で、第4章「ディベロプメンタルケア」や、第6章「やさしさとは」などでは、新生児医療における心を育むことの重要性に触れた。それは21世紀の医療は心の医療であるといわれてきて久しいが、筆者は新生児医療においても、あるいは新生児医療こそ、心の医療の核をなすものであると考えるに至ったからである。新生児学総論発育・発達とその評価新生児診断学新生児の養護と管理家族への援助母子相互作用医療事故と医原性疾患新生児医療と医の倫理体温調節と保温栄養の基礎と臨床〔ほか〕
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