わが国は、短期的にも長期的にも大きな環境変化に直面し、構造的変革期にあるが、失われた30年を打開する方策として、分散型の国家と地域からの変革である地域創生を提示する。地域創生を実現するに必要な「地域マネジメント」のコンセプト、地域産業政策などの手法、求められる人材などを示すとともに、ベストプラクティスとして香港、薩摩藩を取り上げる。日本の構造的変革期と地域マネジメント第1部 地域の衰退と地域創生(地域の持続可能性を脅かす環境変化;地域の人口減少問題と東京圏一極集中;地方創生から地域創生へ)第2部 地域マネジメントによる地域創生(求められる地域マネジメント;地域マネジメントの理論と手法;地域マネジメントに対応した自治体のシステムと人材;地域マネジメントのベストプラクティス)大きな環境変化に直面し、構造的変革期にある日本。打開策として地域創生を提示し、その実現に必要な地域マネジメントについて解説する。わが国は、大戦後かつてないほどの経済社会の構造変革期の真っただ中にある。1995年から大規模自然災害(1995年阪神淡路大震災、2011年東日本大震災、2016年熊本地震など)、経済危機(1997年アジア経済危機、2008年リーマンショック)、パンデミック(2003年SARS:重症急性呼吸器症候群、2009年Mars:鳥インフルエンザ、2020年新型コロナウイルス)、テロ・紛争(1995年地下鉄サリン事件、2001年米国同時多発テロ、2010年尖閣諸島中国漁船衝突事件)といった短期的な環境変化(危機)が連続して襲ってきている。本書のねらいは、現在のわが国の大きな構造変革期という現状認識と、それを打開する方策としての「地域からの変革」の方向性を示すとともに、地域の内発的な発展のために必要な具体的な手法について提示することである。こうした地域
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