新抄格勅符抄…神封・寺封・諸王諸臣封戸などに関する官符・記事を収める。通憲入道蔵書目録にみえる格勅符抄第十巻の逸文という説があるが確定しない。底本に佐々宗淳が醍醐報恩院所蔵の古本を写したという彰考館本を用いる。表題に新抄格勅符抄大同元年、内題に新抄格勅符第十巻抄とあるもの。大同元年の牒がのちに抄出され太政官符四篇ほかが加わって今の形になったという。最後にはさらに長保元年と三年の太政官符がつけたされている。他にみられない貴重な史料である。法曹類林…明法家が、諮問に応じて具体的問題を律令格式の法意をもとに解答した意見書を類聚して、編者自らの考えをも加え法曹執務研究の便としたもの。二百三十巻とも七百三十巻とも伝えられる。藤原通憲編。平安時代の法理・慣例を知る上、重要な史料であるが、現在法曹類林として伝えられるものは僅か巻百九十二寺務執行・巻百九十七公務(五)・巻二百公務(八)・巻二百二十六公務(三四)の四巻のみである。ただ最後の巻二百二十六は、実態は明法肝要抄であって、そこに法曹類林が引用されているにとどまるという。類聚符宣抄…太政官の弁官局史官の職を世襲した壬生官務家で、執務の参考のため天平九年(七三七)より寛治七年(一〇九三)までの家伝の宣旨官符・解状などを類聚したもの。十巻。鎌倉時代に既に巻二・五を失い、現存は八巻。神祇、帝王以下公卿百官、諸国司に関する事項を分類し、類聚三代格につぐ平安時代の法制文書集として重要な価値をもっている。底本に保安二年(一一二一)古写の壬生家本を用いた。第二十七巻の冊尾には、続左丞抄・別聚符宣抄所収のものといっしょにしてまとめた編年索引がある。弁官の唐名をとって左丞抄ともいう。続左丞抄…十七世紀末に壬生季連が壬生官務家に伝来した古文書を整理・謄写し
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