ブリュッセルを拠点に活動するコンポーザー・ピアニストのグラジナ・ビエンコフスキによる、サティ「ヴェクサシオン」の再構成。「ヴェクサシオン」は1分に満たないフレーズを840回繰り返すという作品ですが、日本人アーティストも多く関わるブリュッセルのレーベルOff-recordの主宰アラン・ルフェーヴルとアーティスト岩田渉は、「21人のアーティストが自由に40回ずつ演奏するアルバムを作成し、合計で840回に到達する」というデジタル・アルバムのシリーズを制作しました。Vol. 19に参加したグラジナ・ビエンコフスキが、これに若干手を加え、CD用に新たなマスタリングを施したのが今回のアルバム。「ヴェクサシオン」のフレーズを元にしたリズミカルなヴィブラフォンとマリンバが響く中、多重録音のピアノが、テーマとその和声を発展させて奏でる第1曲(20回の繰り返し)、ピアノの多重録音を中心にベースのボウイングも交えて原曲を発展させる第2曲(10回)、ベースが野性的なリズムを刻みオスマン帝国の歩兵隊をイメージさせる(モーツァルトの≪後宮からの誘拐≫に触発されたとのこと)第3曲(10回)と続きます。 (C)RS
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