また私人逮捕してしまった…刑事訴訟法第二百十三条。現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。榊鋼太郎は曲がったことが大嫌いな下町在住のバツイチ五十五歳。日常に蔓延する小さな不正が許せない。痴漢被害に泣く女子高生を助け、児童性愛者もどきの変態野郎をぶっ飛ばし、学校の虐め問題に切り込む。知らん顔なんかしないぜ、バカヤロー。成敗してやる!(書下し痛快イヤ爺アクション)現行犯なら一般人でも逮捕出来る。それを利用して、「現行犯の私的逮捕が趣味」の男の活躍を描く。プロの刑事には迷惑がられながら、趣味の逮捕に邁進する。本人は実に真剣なのだが、傍から見るとちょっと笑いを誘ってしまうような活躍になってしまうのだが…。決めぜりふ、「また逮捕してしまった」連作短編 70〓80ページ×4篇舞台は東京東部のいわゆる下町。主人公は、無駄な正義感に燃える初老の男。寡黙な整体師。離婚して妻子は他所に住んでいる。ルールを無視する人間を憎む(映画「シリアルママ」のような)。読者に違和感を与えるような、正論しか言わない「正論おじさん」のような存在。治療院の受付嬢や患者から「悪いヤツ」を知ったりする。患者たちが主人公の行動に巻き込まれて「私人逮捕」に協力せざるを得なくなったりする。*序章 主人公が悪党を追い詰めて、「私人逮捕」をする。「お前を現行犯逮捕する!」「なんでオマワリでもないオッサンが逮捕出来るんだよ!」「馬鹿め!刑事訴訟法第213条を知らないのか!」「知るわけないだろ!」「刑事訴訟法第213条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。いいか、ナンピトでも、だぞ。つまり私人逮捕は法律で認められてるんだ!」 パトカーがやって来て、主人公は犯人を引き渡す。 犯人の身柄を受けと
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