殺処分してしまう施設でなく、捨て犬たちの新しい家族を探す橋渡し役、それがドッグ・シェルターです。アメリカのポートランドでは、新しい飼い主へ渡すまで、犬のすべての世話とトレーニングを、少年院の子どもたちがおこなっているプロジェクト、"プロジェクト・プーチ"があります。犬たちはここで人間への信頼を取り戻し、そして少年たちは「命」を預かることにより、その大切さを学び、自分自身の存在価値を見出していきます。少年・ネートと彼の選んだ犬・ティリー、そしてティリーの新しい飼い主となった自閉症のジョーダン。2人の少年と1匹の犬を通してプーチの活動を紹介し、「命」とそこから生まれる無限の可能性について考えます。プロローグ 犬をゆずってください1 マクラーレン少年院の子どもたち2 ネート・ミッチムという少年3 ネートの一日4 ティリーが来た5 ジョーダンとクレイグ6 ビッグ・ブラザーとベスト・フレンド7 新しい家族8 ネートの手紙9 ネートとジョーダンの挑戦10 ティリーの心エピローグ ネートの再出航過ちを犯した少年たちに命の大切さを教えたのは、1度は人間に捨てられた犬たち。「プロジェクト・プーチ」というドッグ・トレーニングを通して、社会と人間たちへの信頼を回復していく少年と犬たちの姿を追う。〈受賞情報〉日本児童文学者協会新人賞(第36回)
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