1 大学の現在、そして危機のなかの日常(学校法人のガバナンスをめぐる臨床的研究―日本大学で何が起きていたのか;アメリカンフットボール部の危険タックル事件と大学の対応)2 教職員にかたる―学部長通信(言葉をかけ続けることしかない―コロナ禍の大学から;文理学部の専任教職員のみなさまへ―二〇二〇年四月一日;授業開始の延期と準備について―学部長通信1号 二〇二〇年四月八日 ほか)3 学生・保護者・卒業生にかたる―思考の風穴をあける(境界に立って―二〇一九年四月八日;祝辞―学位記伝達式 二〇二〇年三月二五日;新入生へのメッセージ―開講式祝辞 二〇二〇年四月一日 ほか)"古い体質と格闘するなかから、どう新しい大学を生み出すのか。「大学改革」のかけ声ばかりが先行し、学問や教育が痩せ細るなか、大学への信頼はどのように取り戻せばいいか。その問いへつながる道筋に、近現代日本文学の研究者が、「大学人」として発信しつづけた言葉を配置する。日本の大学行政の問題点をもっともチープなかたちで照らし出すにいたった、元理事や前理事長の逮捕・起訴といった、いわゆる日大事件。日本大学アメリカン・フットボール部の危険タックル事件。それらの渦中にいた著者が、できるかぎり事実をたがえることのないよう、メモと記憶にしたがって書き下ろした第1部「大学の現在、そして危機のなかの日常」。圧巻の93,000字。大学人はもとより、組織にいる人間には必読のテキストである。第二部は、コロナ禍に遭遇した最初の半年間に出し続けた「学部長通信」を主に、第三部は、学生・保護者・卒業生に語った文章を収録。これらは教職員のみならず学生・保護者、卒業生にどのように事態を報告し、安心を与えられるか、考え抜かれた言葉である。「言葉なくして、安心も共感も説得もな
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