宮廷と修道院、革命と公民権運動、娼婦と淑女、ギャングとセレブ。「階級・性差・貧富」を表し、固定するものとしてドレスコードは機能していた。そしてフランス革命後の「国家と個人の誕生」とともに、服装は自由と平等を実現し、一人ひとりの個性を表し、格差を破壊するものになる―はずだった。それにもかかわらず、アメリカの高校は現在も服装規定を増やし、レストランは髪型を理由に従業員を解雇する。「流行なんてどうでもいい」とTシャツを好むIT起業家たちは「ファッションに無関心という最新の流行」に夢中になっている。ドレスコードに隠されたメッセージは形を変え、今なお生きているのだ。スタンフォード・ロースクール教授が、階級、性差を表す「暗号」だった歴史的なドレスコードを読み解くとともに、人種、ジェンダーの平等をめぐる戦いの粛で、服装がどのような役割を果たしてきたのかを考察する。過去と現在を探り、未来を捉える意欲作。第1部 ステータスシンボル(地位の記号化;自己成型;信仰の印;性的象徴)第2部 豪華から上品へ(男性による華麗な衣装の放棄;表現方法と地位;性別と簡素;合理服運動;フラッパーのフェミニズム)第3部 パワー・ファッション(流行の奴隷;ボロ服から抵抗へ;腰パンと服従)第4部 政治と個性(女らしい装い方;異性装と性の境界線;宗教とドレスコード)第5部 仕立て直された期待(ブランドとマーク;偽物と文化の盗用;ドレスコードを解読する)17世紀、ルイ14世は自分と廷臣以外の赤いソールの靴着用を禁止し、21世紀、クリスチャン・ルブタンは赤いソールの商標を独占した。彼らは赤い靴底ではなく「権力と特別感」を守ろうとしていた。なぜなら「服装」にはそれだけの効き目があると知っていたからだ。宮廷と修道院、革命と公民権運動、
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