1 有形・無形文化財の保護と活用(文化財保護思想のあゆみ;文化財保護法以前―考古・民俗資料の収集・研究と保護;無形民俗文化財をどう継承するか;奈良県における文化財行政の動向と「これからの文化財保存と活用の体系」(案);ユネスコ無形文化遺産「和食」提案とその影響―京都の文化財保護行政を例に;「文化財の活用」の曖昧さと柔軟さ)2 総合討論3 付論 災害記憶と文化財の価値―自然災害の記憶と文化財の保護・活用2019(平成31)年2月16日,國學院大學学術資料センターでは文化財保護法改定を目前に見控えたタイミングで,学術研究や文化財保護行政の現場から,今後の在り方を考える研究フォーラム「文化財の活用とは何か」を実施した。本書は,このフォーラムの7講演と総合討論を中心に、新たに有識者3名によるコラムと付論を加えて編んだものである。総合テーマを「有形・無形文化財の保護と活用」とし,わが国の文化財保護思想や制度の変遷,民俗芸能の継承問題,文化財の中心地域とも言える奈良,京都での具体的な取り組み,さらには文化財の活用概念の再検討などについて、それぞれの専門家が論考を投じている。総合討論では,文化財の位置づけ,保護のための制度設計,施策の方向性の模索という観点で,登壇者の発言内容を掲載した。さらに専門研究者による有形文化財保護の現状と課題、民俗指定文化財の利活用についてコラムを加え,付論として,災害記録と文化財の価値についても興味深い事例を提供している。
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