一見華やかな劇場の舞台も、裏を覗けば、伝統的な技術やハイテク技術による舞台機構や舞台装置によって支えられているのが分かります。そしてその技術は、単に先端技術を追い求めるのではなく、舞台で行われるパフォーマンスに融合したものでなければなりません。このようなことを、中島みゆきさんの「夜会」の特殊な舞台や美術家の朝倉摂さんの舞台装置などを設計した経験から、技術的な裏づけを含めて説明しました。また最終章では、著者自身の活動を中心として、劇場と社会の関係について国内外の実例調査の結果をまとめました。第1章 動く舞台の裏側を見てみよう(動く舞台美術(装置)の裏話;舞台機構の裏話)第2章 動く舞台美術(動く舞台装置の今昔;舞台機構の今昔)第3章 舞台装置を支える技術力(舞台上の安全について;舞台上で必要な力学 ほか)第4章 現代の劇場と地域のかかわり(劇場が社会に対してもてる力;フィンランド・タンペレ市国際演劇祭の例 ほか)第一線の劇場コンサルタントが、舞台装置の多彩な事例をわかりやすく詳述 一見華やかな劇場の舞台も、その裏側を覗けば伝統的な技術やハイテク技術による舞台機構や舞台装置によって支えられています。その技術も、観客がいることを考えますと、単に先端技術を追い求めるのではなくて舞台で行われるパフォーマンスにあったものでなければなりません。 本書の前半では、このような舞台装置や舞台機構のことを、劇場の歴史的な進化とともに著者自身が携わった仕事を例として挙げて説明しています。具体的な舞台装置を言えば、みなさんもよくご存じのオペラ『魔笛』の空中ゴンドラのシーンや中島みゆきさんの「夜会」の特殊な舞台、そして朝倉摂(美術家)さんが手掛けられた舞台装置などです。そして、イギリス(ロイヤルオペラハ
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