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作品の交響的な性格と情趣豊かな内面性をともに活かしたカーゾン&セルによる同曲屈指の名盤!ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、その雄大な構成とオーケストラ・パートの厚みから、早くから「ピアノ助奏つきの交響曲」という綽名をつけられました。それだけに名指揮者の棒にかかると、大交響曲に接しているような充実感を味わうことができます。この曲の指揮者として最も有名なのがジョージ・セルその人でしょう。録音回数は1938年の巨匠シュナーベルとの共演盤以来、都合5度。ライヴ録音を含めれば6種もの録音がリリースされました。そしてカーゾンも3度この作品を録音しています。カーゾンの力強いタッチ、安定した技巧、抒情的な音楽性、そしてセルの描く巨大な造形と明晰、かつ充実した響き>はこの作品の交響的な性格と情趣豊かな内面性をともに活かしています。英デッカ、ステレオ初期の録音も鮮烈を極めています。カップリングはカーゾンによるブラームスの小品2曲とベートーヴェンのエロイカ変奏曲。とくにカーゾンが老境に入った1971年に録音したエロイカ変奏曲は、澄み切った晴れやかなタッチと、瑞々しい生命力、豊かな語りかけをもった素晴らしい演奏です。カーゾンはシュナーベルの弟子でありながらもベートーヴェンのピアノ・ソナタの商業録音を残すことはありませんでした。そのため、この晩年に残されたエロイカ変奏曲から彼のベートーヴェン像の全てを伺い知ることは叶いませんが、貴重な音源であることは確かです。尚、この録音は現在のところカーゾンがDECCAに残した録音のうち、最後から2つめの音源です(最後は1970年9月&'72年11月録音のシューベルト:ピアノ・ソナタ第21番)。解説書には、新規で満津岡信育氏による序文解説を掲載しました。カーゾンとセルの間を紐解く明晰な解説は、読み応えがあります。  TOWER RECORDS ONLINE