理などの多くの長所と可能性を持っている。 大気圧プラズマは新しい技術ではなく、例えば直流のプラズマジェットは産業廃棄物の分解処理や高融点材料の切断・加工に、高周波を用いた誘導結合プラズマは微量元素分析の分野で40年以上前から実用化されている。しかし、21世紀に入った頃より、大気圧プラズマの技術が急激に注目を集めるようになってきた。これは、ガス温度が室温に近い低温プラズマ源の開発が進んだ事と、一様で安定な大気圧プラズマを大面積もしくは大容積で生成する技術が大きく進歩した事が原因である。これらのイノベーションにより、今まではプラズマとは全く無縁であった各種のプロセスや、ローテクに分類されがちな表面処理等の分野へのプラズマ応用が可能となった。低温の大気圧プラズマは直接手で触れることもできることから処理能力も低そうに思われるが、ガス温度が低いだけであって、プラズマ中には多数の高エネルギー粒子や反応性の高いラジカルが存在しており、高い反応性、処理能力、殺菌能力を持つ。このため、大気圧で低温という条件が重なると、バイオや医療分野への応用も可能となる。本書にもあるように、生体への直接照射の研究も始まっている。 このように、大気圧プラズマが極めて高いポテンシャルと、極めて広い応用分野を持っている事に疑う余地はないが、逆にあまりにも応用分野が広い上、まだまだ発展途上な分野や未開拓な分野が多く、これから大気圧プラズマの利用を検討されている方々にとっては、しきいが高いのも事実である。そこで本書では、大気圧プラズマの物理、化学、発生法、計測法などの基礎を詳しく解説するとともに、最新の各種応用例を紹介する。本書によって大気圧プラズマ応用に興味を持って頂き、利用や導入の参考にして頂ければ幸いである。
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