みなが選挙にいけばよい、というものではない! 何となくの常識にとらわれず、私たちが投票すべき理由について根本から問い直す。
「市民には投票する道徳的義務がある」「投票率は高ければ高いほどよい」「自分が良いと思った候補者に自由に投票してかまわない」こうした常識を正面から疑い、真剣に投票すること、また投票を棄権することの意味を深く緻密に考える。私たちは投票にあたっていかなる態度を取るべきなのか。極めてアクチュアルな政治的・倫理的考察。
【原著】Jason Brennan, The Ethics of Voting(Princeton University Press, 2011)
第四章 追従と棄権
反論:棄権は智者政をもたらしてしまうのではないか?
反論:棄権は自律性の喪失を引き起こす
反論:優れた投票者に常に追従すべきなのか?
反論:投票するのに博士号が必要に?
反論:貧困にあえぐマイノリティに対する道徳的剥奪
我々は投票する権利を制限すべきなのか?
なぜ代わりに投票者を教育しないのか?
第五章 共通善のために
投票の目的
リベラルは共通善を信じることができるか?
共通善とは何か?
なぜ我々は共通善のために投票すべきなのか?
政治の見えざる手?
最善を目指すか、あるいは十分でよしとするか?
戦略的投票と共通善
結 論
第六章 票の売買
票の売買は間違いなのか?
有償パフォーマンスとしての票の販売
票の売却に対して関連性のない複数の反論
票の正しい売買についての複数の事例
良い投票は人々を害するか?
無関心な投票者
商品化と取引阻止
常識を再検討する
良いことをしない者に金銭を与える
悪い投票者の良い振る舞いに金銭を与える
結 論
第七章 投票者はどれだけうまく振る舞うのか?
実際の投票者
(ナショナリスト的で)社会志向的な投票
合理的な無知
知識は投票者の選択に変化をもたらすか?
集計の奇跡?
系統的な誤りと合理的な非合理性
誰が反対者に耳を傾けるのか?
結論:投票をより良いものにする
【ペーパーバック版へのあとがき】
上手な投票の仕方
なぜ我々はまずい投票をしてしまうのか?
解決策
良いニュース
訳者解説
訳者あとがき
文 献
人名索引
事項索引
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