姑との軋轢から婚家を飛び出した高坂美月は、家庭教師先で中学受験生の理穂と弟の悠太に出会う。母親は絵本作家で海外留学のため不在にしているらしい。絵画で飾られた家は一見幸福そのものだが、理穂は美月に対し反抗的で頑なだ。ひょんなことから二人と夕食を共にすることになった美月は、キッチンに立つ理穂を見て、トラウマを呼び覚ましてしまう。包丁が、料理が恐い…。それは、婚家での暗い記憶だった。誰にも言えない辛さを抱えた三人は、絵本に描かれた幸せになるための“おまじない”を見つけようとしてー。悩み多き女性たちへ贈る、救済の物語。
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