昨年末、編集部に届いた一通の分厚い封筒。その中には二百枚に及ぶ原稿用紙の束と一枚の便箋、送り主の欄には「ムラシタショウイチ(仮名)」と記されていた。さて、その二百枚に及ぶ原稿の中身とはー。黄昏時の土手で起立したままの姿勢の女に追いかけられる「幽霊の話」、回る洗濯機から覗く目「洗濯機の話」、アーケード下にいた八卦見の恐るべき姿「八卦見の話」など悪夢と怪異が渦巻く100編を収録。「懐かしくも新しい、読者の“恐怖の原体験”を再確認する一冊となってくれたなら、怪談を提供する側に棲む人間としてこれ以上の喜びはない」(黒木あるじ「あとがき」より)。
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