一六世紀プラハールドルフ二世の宮廷に集った画家、彫刻家、詩人、天文学者、数学者、魔術師たち。彼らはその庇護者に奇怪で謎に満ちた多くの作品を捧げた。昆虫や異国の草花で飾られた祈祷書、禽獣と道具によって構成された肖像画、天球儀や地球儀とギリシア神像が同居する凱旋門。そこには、少数の者にのみ理解されうるシンボルとアレゴリーがちりばめられていた。これまでマニエリズムの名のもとに見過ごされてきたルネサンスの魔術的想像力の真意が、気鋭のワールブルク派美術史家の手によって、はじめて解き明かされる。
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