本書は、元日立の生産技術者が、「仕事の方法」の分析・改善のプロとして、また地球市民としての連帯責任感から、見捨てておけなかった人文系学問領域での、定年後の一五年間をかけた研究の成果である。文明崩壊の危機を脱するための原動力となる新しい政治システムの構想の提案書である。人文系学者の「仕事の方法」を分析した結果、社会的に重要な活動領域が未発達であることを発見した。発達に必要な新しいパラダイムの提案書である。これを歴史的にみれば、四〇〇年前にフランシス・ベーコンが『ノヴム・オルガヌム』で意図した「諸学の大革新」という大計画を、現代社会の状態に合わせて具体的に展開したものとも解釈できる。
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