サイバー攻撃に備え、強い企業を作る
実例に基づき人材育成などの勘所を提示
世界中から襲ってくる、サイバー攻撃に即応して企業内の情報やシステムを守ると共に、安全な製品やサービスを積極的に提供し、事業を拡大する。こうした「サイバー攻撃に勝つ経営」を実践するために何よりも必要なのは、ビジネスセンスを持つ情報セキュリティリーダーです。
リーダーがいてこそ、経営陣と連携してセキュリティの戦略を立て、組織を整えて動かし、防御技術を使い、セキュリティの実務をこなし、製品やサービスの安全性を高められます。欧米ではセキュリティリーダーを「CISO(チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー)」と呼び、企業の中に配置しています。
日本でもセキュリティリーダーが登場しつつあります。日本企業5社の経営者やセキュリティリーダーを徹底取材。各社の取り組みに基づき、経営陣との連携、防御の体制、リーダーの人選、担当者の育成など、セキュリティリーダーシップの勘所を一冊にまとめました。
著者は企業でセキュリティリーダーを務めた経験を持つ経営コンサルタントです。経営の視点から5社のリーダーにインタビューし、勘所を分かりやすく執筆しています。手法や技術の詳細を解説した教科書ではありませんので、経営者や一般の事業責任者、もちろんセキュリティ責任者の方にお奨めします。
第1章で経営者が知っておくべきサイバーセキュリティの最新事情を、第2章で先進企業5社の取り組みを、それぞれ紹介します。第3章では「サイバー攻撃に勝つ経営」の鉄則を解説します。
■第1章
5つの事情 〜 これだけは知っておきたいセキュリティ課題
→攻撃者の実態
→グローバル化の影響
→個人情報保護の本質
→近未来の脅威
→人材不足
■第2章
5社の実践 〜 これがセキュリティリーダーシップだ
◎中部電力
代表取締役社長 勝野 哲 氏
「サイバーセキュリティは経営と不可分。全社で取り組む」
◎本田技研工業
IT本部サイバーセキュリティ推進部 部長 岩本 淳 氏
「価値を最大化しつつ、リスクは最小化する」
◎みずほフィナンシャルグループ
データマネジメント部 部長 高橋 達浩 氏
「世界のCISOと連携、攻撃を防ぐ。尖った人材が活躍できる場を用意」
◎Sansan
取締役CISO 常樂 諭 氏
「セキュリティと利便性の両立。難しくてもやるしかない」
◎参天製薬
執行役員CIO 山本 範明 氏
「CIOであってもCISOの役割をやり切る」
■元FBI副長官からの提言
「ボーダレスな世界、攻撃の影響を世界規模で見極めよ」
ショーン・ジョイス 氏
■第3章
5つの鉄則 〜 こうすれば企業を強くできる
□戦略 デジタル時代の事業戦略を具現化する
□組織 全社を支援するサイバーセキュリティ専任チームを設置
□人 リーダーシップ無くしてサイバーセキュリティの成功はない
□プロセス ルール、手順、役割を明確に定める
□テクノロジー 守りと価値創造に徹底活用
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