ロシア出身天才女性作曲家の心の叫び。まさに今の世界を描く音楽!
3人の若いオランダ人奏者が2013年にザルツブルクで結成した「デルタ・ピアノ・トリオ」。現代音楽に力を入れる頼もしい団体。彼らの最新アルバムはロシア出身でアメリカを本拠に活躍するレーラ・アウエルバッハ作品集。
文学者としても知られる彼女は独特な死生観を持っていて、その不可避な暗闇から逃れようとする闘いが音楽にも表れています。新作のピアノ三重奏曲第4番は葬儀の鐘の音が運命を暗示し、暴力的な音響、泣き叫ぶようなトリルが最後まで救いなく続く衝撃作。また旧作を改訂したピアノ三重奏曲第3番は演奏の視覚的側面がアウエルバッハにとり重要なことを具現化。音楽だけでなくパフォーマンスも作品となっています。しかしこの曲も最後に夢が打ち砕かれる彼女の美学が反映しています。
アルバム・タイトルの『ミルキング・ダークネス』は2011年のピアノ曲。すべての色の絵具を混ぜると黒になることから、「闇を引き出す」彼女の作品の持つ強烈な影響力を的確に言い表しています。死への恐怖と憧れが入り混じるムソルグスキーの伝統を忠実に受け継ぐ音楽と申せましょう。(輸入元情報)
【収録情報】
アウエルバッハ:
1. 孤独の組曲(孤独なヴァイオリン弾きのためのバレエ)〜ヴァイオリン独奏
2. ピアノ三重奏曲第4 番 (2017)
3. ミルキング・ダークネス (2011)〜ピアノ独奏
4. 古い様式による3つの舞曲 (2000)〜ヴァイオリンとチェロ
5. ピアノ三重奏曲第3番 (2013 rev.2018)
デルタ・ピアノ・トリオ
ヘーラルト・スプロンク(ヴァイオリン)
イレーネ・エルズリン(チェロ)
フェラ・コーペル(ピアノ)
録音時期:2023年2月14-16日
録音場所:オランダ、ヒルフェルスム、MC01
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
世界初録音(2,3,5)
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