クラウディーネとナニー、そしてモリーは、第二次大戦中日本軍の占領下にあった「蘭印」(現インドネシア)で、日本人の父と蘭印系オランダ人(インドネシア人とオランダ人の混血)の母から生まれた。父とは戦後すぐ生き別れとなり、そののち母に連れられて見知らぬ祖国・オランダに渡る。彼女たちは、本当の父の、愛情はおろか存在すらも知らないまま育った。しかも、日本軍収容所体験者からは「敵の子」として蔑視されてきた。1990年前後、3人は自分が半分日本人であることを明らかにして、本当の父親を捜し始めた。「わたしは一体誰の子なのか」、「私は望まれて生まれた子か」、「父はどんな人だったのか」、「父は母を愛していたか」、さまざまな疑問が頭の中を駆け巡る…。本書は、人間としての存在価値を求めて苦悩する彼女たちの、心の旅の記録である。
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