コリン・デイヴィス追悼公演
ブリテンの心理劇オペラの傑作『ねじの回転』
英国オペラ界で活躍するファーンズの指揮!
2013年4月16日と18日、ロンドンのバービカン・センターでブリテンの『ねじの回転』が演奏会形式で上演されました。本来、この上演はロンドン交響楽団の前首席指揮者コリン・デイヴィスが指揮する予定でしたが、数ヶ月の体調不良の末、公演直前の4月14日に亡くなってしまいました。この上演は図らずも追悼公演になってしまったのです。出演者たちの思いが一つになっていることは、録音を通しても実感できることでしょう。
代役指揮者はリチャード・ファーンズ。1964年生まれの英国の中堅指揮者。日本ではまだ知名度は低いでしょうが、北イングランド、リーズのオペラ・ノースの音楽監督を2004年から務め、意欲的な上演を立て続けに成功させて名声を高めつつある人物。遠からず国際的人気指揮者になることでしょう。その冴えた劇場感覚はこの演奏からも十分伝わってきます。『ねじの回転』は2010年に演奏したことがあるそうです。
キャストは適材適所。家庭教師のサリー・マシューズは、LSOシリーズではお馴染みの英国のソプラノ。透明感のある美声がこの役にピタリです。ピーター・クイントのアンドルー・ケネディは1977年英国生まれの若いテノール。バロック音楽やモーツァルトのテノールとして人気が高い美声のテノールですが、ミステリアスな雰囲気と声の張りにも不足はなく、クイントは当り役でしょう。重要な役であるグロース夫人には、英国のベテランのメッゾソプラノ、キャサリン・ウィン=ロジャーズを起用。そしてマイルズ少年はマイケル・クレイトン=ジョリ君が天使の声で歌っています。
デイヴィス追悼で聞くにしても、次世代のオペラ界の担い手を耳で知るにも、新しい世代の歌手を目当てにするも、いずれにしても注目の録音です。(キングインターナショナル)
【収録情報】
・ブリテン:歌劇『ねじの回転』全曲
アンドルー・ケネディ(T 前口上/ピーター・クイント)
サリー・マシューズ(S 家庭教師)
マイケル・クレイトン=ジョリ(BS マイルズ)
ルーシー・ホール(S フローラ)
キャサリン・ウィン=ロジャーズ(Ms グロース夫人)
キャサリン・ブロデリック(S ジェスル嬢)
ロンドン交響楽団
リチャード・ファーンズ(指揮)
録音時期:2013年4月16,18日
録音場所:ロンドン、バービカン・センター
録音方式:ステレオ(DSD/ライヴ)
SACD Hybrid
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