シカと日本人とが長く共存してきた歴史的事実を振り返りながら、シカ被害への有効な解決策の一つになりうる「シカの準家畜化→シカ資源の有効活用」による地域産業興しを提案する。1980年代から本格的に試みられてきた国内での養鹿(シカ飼育)の経験を検証しながら、そこで蓄積されてきた知見や技術をもとに、牧場の開設から経営、飼養管理、シカ資源の利活用まで具体的に解説する。第1章 シカ被害解決への道すじ(農林業被害から見たシカ資源活用の展望;養鹿への挑戦―シカ飼育の歴史と現状)第2章 シカと人の関係史から(筆者とシカの関わり;シカの精神文化史;シカの物質文化史)第3章 牧場の開設に向けて(シカの生態と行動を知る;牧場(飼育施設)を選定する;シカを導入する;養鹿経営の実際から学ぶ)第4章 飼養管理の実際(飼養管理の原則とポイント;雄ジカの飼養管理;雌ジカの飼養管理;幼ジカの飼養管理;シカの繁殖生理;疾病対策)第5章 シカ産物の利用と開発(シカ資源の利用に向けて;シカ肉の利用と開発;皮革の利用と開発;幼角(鹿茸)の利用と開発)眠れるシカ資源をまるごと活用し、増え続けるシカ被害解決の一歩に。日本人とシカの付き合い方の歴史をたどり、シカの生理・特性に見合った飼育方法と地域資源としての活用方法を具体的に提案する。
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