文明十一年閏九月四日和漢聯句「蝶は夢」(下平声一先韻)文明十三年七月二日和漢聯句「かぜかよふ」(上平声十四寒韻)文明十三年七月二十一日和漢聯句「名にたてど」(下平声一先韻)文明十四年六月六日和漢聯句「声かろし」(上平声二冬韻)文明十六年九月七日和漢聯句「まだきより」(上平声十灰韻)文明十七年四月七日和漢聯句「あをによし」(上平声十灰韻)文明十七年九月七日和漢聯句「花よいかに」(上平声十一真韻(初折)、下平声九青韻(二・三折)、下平声一先韻(名残折))文明十七年十一月九日和漢聯句「雪の松」(下平声八庚韻)文明十九年五月二十六日和漢聯句「雲は花」(下平声七陽韻)文明年間月日未詳和漢聯句「花や千世」(下平声二蕭韻)〔ほか〕ー天台宗の門跡寺院、曼殊院に所蔵される和漢聯句作品のすべてを翻字、時代順に編成ー天台宗の門跡寺院、曼殊院に所蔵される和漢聯句作品のすべてを翻字、時代順に編成。文明11年(1479)以来、百年以上に亘る文化的営為の学習と保存を一望する。『室町前期和漢聯句作品集成』、『室町後期和漢聯句作品集成』、『慶長・元和和漢聯句作品集成』を継ぐ本書の収録作品は、これら三書の諸作と同時代でありながら、同一の作は少数にとどまる。本書刊行により、この時代の和漢聯句作品のほぼ全てが通覧可能となった。皇子を門跡にむかえた格式高い曼殊院に、皇室を中心とする百年以上の文化的営為の和漢聯句作品が蓄積され、学習され、保存されたさまを一望できることはほかに例を見ない。また作品の多くに書き込まれた訓点、表現の典拠・故事、字音や和訓などは、和漢聯句を理解するための道標となるばかりでなく、国語史資料としても価値が高い。
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