職場の共同性をどんどん切りつめていく理不尽な圧迫を、私たちは、どのように押し返せばよいのだろうか。本書は、飯場の一人ひとりの労働者が置かれた関係性に注目し、この問いに迫る。どういうルートで飯場に入るのか、どんな労働条件で仕事をするのか、どんな暮らしをおくるのか、どのような人たちと出会い、そして飯場を出て行くのかを、「僕」の飯場体験にもとづいて詳しく描き、考え抜いている。人夫出し飯場のエスノグラフィー飯場の生活飯場の仕事(寄せ場→飯場;求人広告→飯場)飯場の労働文化つくられた「怠け者」、排除の檻「怠け」の役割、排除の構造不寛容なコミュニティ―淘汰と選別仕事ができない自分が、悪いのか?それとも、アイツが、ダメなのか?―― 他人と「共に働く」ことの、喜びと違和。―― 共同性を育む、他人への信頼と期待。 * * * 「生産性を上げろ」という過酷な要求、上からの理不尽な圧迫と合理化、職場内の不当な排除行為。 職場の共同性は、どんどん切りつめられ、現場は、ささくれだっていく。 私たちは、この状況を、どのように押し返していけばよいのだろうか? 本書は、飯場の一人ひとりの労働者が置かれた関係性に注目し、この問いに、真摯に迫っている。 飯場とは、多くの労働者にとって、一時的な滞在場所であり、滞在期間に長い短いはあっても、入る時には出ることが念頭にあるといってよい。 では、いったい、どういうルートで飯場に入るのだろうか。 どんな労働条件で仕事(主に建設労働)をしていくのだろうか。 どういった暮らしをおくることになるのか。 どのような人たちと出会い、そして……、飯場を出て行くのだろうか。 飯場で出会った一人ひとりの労働者たち――。すなわち、赤木さん、浅井さん、有村さん、磯村さん、井上さん、武(ウ
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