平賀源内は、きわめて多才な人であった。本草学(博物学)、窮理学(物理学)の大家でありながら学問にとじこもることなく応用の才を大いに発揮した。電気をつくり出す「エレキテル」の発明は有名だが、顕微鏡、寒暖計の製作から、興味は油絵にまで及んだ。これほどの人物でありながらその最期は人を殺傷し獄死するという唐突なものである。―風来山人・源内の驚くべきいろどりにみちた全体像を明らかにする。1部 風来山人と呼ばれた天才の秘密について―平賀源内の活躍(四方吉少年が天狗小僧と呼ばれたこと;源内が長崎に留学し、学者にバカにされたこと;源内が大坂に出、砂糖商人をボロもうけさせたこと;源内が江戸に来て、決意したこと;源内が、どもりの原因を追求してドングリを喰べたこと;源内が長崎に行き、源内焼を発明したこと;エレキテルを発明して、世界をアッと言わせたこと ほか)2部 奇才源内の華麗な業績について―なぜ、江戸のレオナルド・ダ・ビンチか(源内が、多彩なレパートリーの持ち主だったこと;源内が切り拓いた本草学・物理学・工芸・絵画・文学の世界のこと)おわりに 亡き人源内を追って―現代学者は、どうみるか源内の正体が、詩人であったこと
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