食料供給をはじめ毛織物や東方物産の取引などヨーロッパ世界で中心的な役割を担ってきた地中海貿易は、16世紀の人口増加に伴い食料の安定供給が困難となり、東欧の穀物貿易を展開させたオランダを中心とするバルト海貿易にその地育を譲り渡した。本書は近世になり経済の中心がアルプスの南から北へ移り、バルト海を中心とする広域経済圏が交易ネットワークを通して北方ヨーロッパに拡大していく過程を、商人の活動とそれを保護する国家の役割に視点をすえて解明する。序章 第1章 商業資本主義の諸相補論1 経済発展と国家の役割―国家財政と商人のネットワーク第2章 地中海からバルト海へ―1600年頃のヨーロッパ経済の中心の移動第3章 「穀物の時代」のバルト海貿易1561‐1657年―『エーアソン海峡通行税台帳前編』の分析第4章 近世スウェーデンのバルト海貿易―「大国時代」を中心に補論2 スウェーデンの貿易とフィンランド・イェーテボリの関係第5章 「原材料の時代」のバルト海貿易1661‐1780年―『エーアソン海峡通行税台帳後編』の分析第6章 イギリスのバルト海・白海貿易1661‐1780年―オランダとの比較を中心に第7章 ハンブルクの貿易―もう一つの世界システム補論3 18世紀の世界貿易拡大と北方ヨーロッパ経済の変貌第8章 ヨーロッパの経済発展とオランダの役割―ロンドンとハンブルク終章食料供給をはじめ毛織物や東方物産の取引などヨーロッパ世界で中心的な役割を担ってきた地中海貿易は,16世紀の人口増加に伴い食料の安定供給が困難となり,東欧の穀物貿易を展開させたオランダを中心とするバルト海貿易にその地位を譲り渡した。本書は近世になり経済の中心がアルプスの南から北へ移り,バルト海を中心とする広域経済圏が交易ネットワークを通
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