団塊の世代の父と中学生の息子が、ふと、近所の川原歩きを始めた。水際の生物観察とちょっぴりの冒険心でもって。それはやがて、多摩川の河口から水源まで、全長138キロ、時速4、5キロの旅となった。川をさかのぼり時をさかのぼる父と子の「こころの旅」。川と海とが出会うところ―河口‐新六郷橋川辺の死者たち―新六郷橋‐ガス橋たましいの川―ガス橋‐二子橋コゴミの谷戸―二子橋‐登戸ワンドの鯉魚―登戸‐矢野口カラスと話をするひと―矢野口‐立川修羅のなぎさ―立川‐昭島川のほとりで食べた果実―昭島‐青梅文士たちの食べた蕎麦―青梅‐鳩ノ巣むかしみち―鳩ノ巣‐テ沢湖底の記憶―テ沢‐諸畑橋八月の石にすがりて―諸畑橋‐一之瀬川橋泳ぐ山登り―一之瀬川橋‐一之瀬川本流だれもいない村―一之瀬林道‐作陽平始まりも終わりもない旅―作陽平‐水干登山家としても知られる著者が中学1年生の息子と、休日を利用して多摩川の河口から水源まで遡る旅をした。自然との交感を描き切った紀行であり、ユニークな多摩川散策ガイド。
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