四季の移ろい、王朝の雅、日々の営みが美しい「色の名前」になった…。日本的感性が紡ぎ出した風雅な色名約二〇〇色でひもとく、色の文化史。色を詠み込んだ古歌や古文を紹介。色に込められた思いや、色にまつわる物語を知る。絵画、工芸品、自然の情景など、優美な色彩文化を堪能できる豊富な実例。冠位十二階、威の色目、江戸の流行色などは特集でさらに詳しく。第1章 先史から奈良時代(赤への畏敬‐古代の特別な色―朱色/銀朱;都の壮麗‐丹塗りの建造物―埴・真赭/鉛丹色/丹色 ほか)第2章 平安から室町時代(王朝人が愛した、紅花染の花の色―桜色/紅梅色/撫子色;濃きも薄きも‐都を風靡した紅色―韓紅花/薄紅/退紅/一斤染;公家にも武家にも好まれた濃い紅色―今様色/牡丹色/躑躅色 ほか)第3章 桃山・江戸時代(戦場を飾った鮮やかな赤―猩々緋/甚三紅・紛紅;酸化鉄を含む赤土の色―紅殻色・弁柄色/代赭色;自然の中の明るい赤を着物やかんざしに―鴇色/東雲色/珊瑚色 ほか)暮らしと文化が彩ってきた豊かな色彩美の世界を、わが国古来の「色の名前」でたどる。伝統的な色名を時代順に類色で整理し、色を詠み込んだ古歌や古文を紹介。豊富な実例で、優美な色彩文化が堪能できる1冊。
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