怪奇映画の歴史は映画の誕生とともに始まった。『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』のユニヴァーサル・モンスター黄金時代、戦後ドライヴイン劇場の若者を楽しませたB級ホラー、『ゴジラ』と巨大怪獣ブーム、『サイコ』が切り開いた異常心理スリラー、SFXを駆使したホラーの新しい波…。本書は、怪奇・ホラー映画の歴史を、多くの図版資料と興味深いエピソードによってたどった怪奇映画史の決定版である。しかし、本書はたんなるホラー・ファン向けの本ではない。怪奇映画に登場する怪物たちには、同時代の大衆が抱いた恐れや不安が色濃く反映されている。著者は、戦争の悪夢、経済恐慌、中絶問題、世代の断絶、AIDSなど、スクリーンに投影された20世紀アメリカの悪夢を、怪奇映画の分析を通して読み解いていく。新しい映画論の幕開けを告げる刺激的エッセイ。幸福な時代のサイドショートッド・ブラウニングのアメリカ「あなたはカリガリ博士となる」―モンスター、いかさま師、そしてモダニズム恐怖とサーカス怪物たちとリブライト1931年―アメリカの混迷怒れる村人たち「おとうさんのことも良く知ってるわよ」―戦争の恐怖、パート2ドライヴ・インは死霊と仲良し―50年代の恐怖映画墓場でパーティ〔ほか〕
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