文豪たちの「死」から、その「生き様」と「作品の意味」を解き明かす。京極夏彦氏との対談収録!樋口一葉―闇落ち前に斃れたこじらせ女子 明治二九(一八九六)年、病死。享年二十四二葉亭四迷―元祖意識高い系、洋上に死す 明治四十二(一九〇九)年、病死。享年四十五森〓外―「馬鹿らしい」と叫びながら墜ちた巨星 大正十(一九二二)年、病死。享年六十有島武郎―夢想に生きた男の理想の最期 大正十二(一九二三)年、情死。享年四十五芥川龍之介―文壇アイドルの先駆的「死」 昭和二(一九二七)年、自死。享年三十五梶井基次郎―早世の青春作家はバカッター? 昭和七(一九三二)年、病死。享年三十一小林多喜二―国に挑み殺された男 昭和八(一九三三)年、拷問死。享年三十岡本かの子―鶴は美しく散る 昭和十四(一九三九)年、病死。享年四十九林芙美子―誰が芙美子を殺したか 昭和二十六(一九五一)年、病死。享年四十七永井荷風―偉大なる孤独死の先駆者 昭和三十四(一九五九)年、病死。享年七十九対談 京極夏彦×門賀美央子「死ぬ間際まで何かを書かずにはいられない、その辺が文豪の文豪たる所以なのかな」―京極夏彦(小説家)太宰治38歳、芥川龍之介35歳。作家は早死にだ。いや、志賀直哉は88歳、井伏鱒二は95歳まで生きた。人生が様々なように、死も様々だ。生物である限り絶対に避けようがない死。人生最大の苦ではあるが、時には救済となることもある。文学という手段で人生に取り組んだ文豪たちは、どんな死を迎えたのか。迫りくる死の影は、作品に何らかの影響を与えたのか。死の直前、彼らが見ていたのはどんな風景だったのだろう。死に方を考えることは生き方を考えることだ。本書では、小説を通して様々な人生を世に問うてきた文豪たちの人生を、死という消失点にむかって遠
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