弥生時代の北部九州で起こった「鏡・剣・玉」の三器を尊重する文化。三器の最上位にあるのは「鏡」だった。大量の「鏡」が副葬される北部九州の王侯墓にあって、ただの一面も「鏡」が副葬されない「安徳台遺跡群二号甕棺墓」。柄に絹糸が巻かれた見事な拵の「剣」を持ち、国宝に匹敵するほどの「玉」を持ちながらも、肝心の「鏡」を持たないその王侯墓の被葬者とは何者なのか―。八咫烏に導かれ、不世出の考古学者、原田大六に私淑する市井の学徒が挑む「漢委奴國王の金印」の謎。鴉(序章;稜威 ほか)金印譚(中山平次郎と原田大六;小烏神社から安徳台へ)亀井南冥と金印弁金印の出土地点についての一考原田イトノ先生の思い出弥生時代の北部九州で起こった「鏡・剣・玉」の三器を尊重する文化。三器の最上位にあるのは「鏡」だった。大量の「鏡」が副葬される北部九州の王侯墓にあって、ただの一面も「鏡」が副葬されない「安徳台遺跡群二号甕棺墓」。柄に絹糸が巻かれた見事な拵の「剣」を持ち、国宝に匹敵するほどの「玉」を持ちながらも、肝心の「鏡」を持たないその王侯墓の被葬者とは何者なのか──。 八咫烏に導かれ、不世出の考古学者・原田大六に私淑する市井の学徒が挑む「漢委奴國王の金印」の謎。 ■原田大六説を継承する論考と金印物語の2部構成。 ■題字「鴉」Mr.G(金箔/著者自装)** 「「奴」の一文字が刻まれる印を、私が持つことはできない。勿論、お前が持つことも許されない。されど、漢皇帝から贈られた印を滅することなどできはしない……。もはや、現世の計らいでは如何ともし難い。かくなる上は、黄金の印には神となって常世へと御帰りいただくより他に道は無い……。」静かに語る大王の眼に、決意の光が灯った。(「鴉」黄金神の祭祀より)
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