第1章 系図の言説第2章 金仙寺観音講説話の系譜第3章 『平家物語』の内と外―「異説」をめぐる考察第4章 文覚発心説話と転形期―「源平」、そして「昔」と「今」第5章 仏舎利相承説と転形期の歴史叙述第6章 『南都巡礼記』の基礎的研究第7章 治承回禄と縁起説―興福寺縁起の再生第8章 珠取説話の伝承圏―志度寺縁起の構造と南都・律第9章 建久二年の南都巡礼と説話第10章 歴史叙述と巡礼・巡礼記―「中興」論資料篇中世日本の「現在」を捉える、文学研究の精華。▼中世日本において、過去を叙述するとはどのような意味を持っていたのか。縁起、巡礼記、血脈、僧伝といった場/事物/人の歴史叙述に関わる資料群を詳細に検討、南都諸寺院の「歴史学」の全貌に迫り、多様な言説が交錯する空間の理路を解き明かす。気鋭の大著。▼「資料編」として貴重な資料の翻刻を付す。
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