幻想の鎧をぬいだリアルな執事。仕事内容、時間割、給料、服装、出世の道から私生活、恋に犯罪、主人との関係まで―この一冊でまるごとわかる。序章 執事の幻影第1章 執事の起源第2章 主人の生活第3章 執事の出世第4章 執事の日課第5章 執事の生活第6章 執事の余暇第7章 執事の堕落第8章 執事と主人古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの? 何時に起きて、給料はいくら? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係? ときには犯罪に走ることも……?コミック『黒執事』作者、枢やな氏推薦!【本文より抜粋】●第4章「執事の日課」より「私は正面玄関までの階段をのぼり、ドアベルを鳴らしました。すると、お仕着せ姿のあかぬけたフットマンが出てきました。私は、執事のミスター・リーを呼んでくれるよう頼みました。『あなたは下級執事の職に応募してきた人でしょう』と彼は物柔らかに言います。『そうです』と私は答えました。『では、通用口のほうにお回りいただけますか。空堀(エアリア)を降りて、そこにあるベルを鳴らしてください。こちらのドアはアスター卿夫妻とそのお客様専用です』 私は一フィート(*三〇・五センチメートル)ばかり身長の縮む思いをしながら、言われたとおりにしました。すると驚いたことに、下のドアを開けて現れたのは、さっきと同じフットマンだったのです。満面の笑みをたたえています。『ずっと長いこと、これを言えるときを楽しみにしていたんだ』と彼は言います。『俺がこの仕事を始めたとき、同じことをやらかして、いまみたいな歓迎を受けたものでね』 この男は、あとでわかったこ
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