第1章 一期一会―私が授業で伝えたいこと(お菓子の食べ方だけ教えてほしい;十五歳で自分の将来を決めた子どもたち ほか)第2章 生きてこそ―「おばけ」と言われた過去(いつでも一対一/お茶との出逢い―帛紗と生菓子;人生の転機 ほか)第3章 意外な共通点―無駄のない動きが美しい(年に一度のお茶会;お嫁さんを貰うなら… ほか)第4章 自慢の教え子たち―忘れることのない時間(衣ずれの音から十秒で;駅でこちらを見ていた男性の正体 ほか)一流騎手を育てた「勝利の作法」 競馬学校に「茶道」の授業があることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。著者の原千代江さんは、第一期から現在まで、33年にわたり競馬学校で茶道を教えてきました。15歳で自らの将来を決めた若者たちに必要なのは、お茶の技術ではなく、お茶の心――礼儀作法や美しい所作。それはすなわち、いまや失われつつある日本人が本来持っていた心です。嘘をつかない。卑怯なことはしない。季節を愛で、自分の内面と向き合い、本物を知ることで本物に近づく――。一流の騎手になる前に、おもてなしの心を持った、潔く、責任ある行動のとれる大人になってほしい。そう考え、生徒たちと接してきた原さんの授業は、今もなお卒業生たちから厚い信頼を得ています。「心とどう向き合うか」「無駄のない動きをどう身につけるか」など、現代社会を生き抜くヒントとともに、武豊、柴田善臣、横山典弘など一線で活躍するジョッキーたちのエピソードも満載の一冊です。
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