〈現在〉という迷路のなかを「詩」はどこへ向かうのか。多様化し拡散する言葉の現象を身体ごと生きる縦横無尽のポリティーク。戦後詩の帰趨を見極め、現代詩を活性化させるための〈演戯〉の方法と実践を提示する、'80年代のポップな詩の自由の論理。1 戦後詩現象論(断言的規範の解体;体験的規範の解体;「合わす」原理について―大岡信の方法・ノート;感受性という規範)2 現在という迷路(魔女シンボルの虚構;迷路のリアリティ;ダーティ・アイドルの、可能性について;立派な詩人の正しい文章について;経験を喰い潰した生―唐牛健太郎の死;詩的無償性と絶対不毛と―谷川雁『無の造型』について;目立とう精神のめざましさ―ねじめ正一をめぐる対話;イップヒップ制度の詩人―荒川洋治『倫理社会の夢は色』まで;ブラック・ナンセンスの世界―忌野清志郎詩集『エリーゼのために』;空虚なロマンの仮縫い師―松本隆覚書;詩は他者を欲望する―「菊屋」終刊で思うこと)3 匿名のゲリラ―現代詩モー毒時評(男の指に恋する女―井坂洋子VS氷見敦子;チーズケーキはうまかった―天沢退二郎VS村上春樹;公衆便所とデジタル現代詩―さとう三千魚VS吉増剛造;滅ぼしておめでとう―伊藤比呂美『テリトリー論2』;ああ夕陽のガンマン、一行の涙―清水昶『楽符の家族』『時は望郷する』;元気の出る詩集が読みたい―清水哲男『東京』と高橋睦郎『分光器』;過剰さからの逃亡―宗左近「痛風にかかった現代詩」と荒川洋治『ヒロイン』;敗北は商売のイロ毛―鈴木ユリイカと新藤凉子;鳴呼!夏の夜の失神―林浩平「詩的なるものの黄昏」をめぐって;激闘!!詩は才能か―ケンカ座談会;なぞなぞ必殺遊び)4 批評の自己意識(詩の自由という〈ふまじめさ〉―埴谷・吉本論争をめぐって;批評の自己意識に
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